【南河内郡千早赤阪村】伏見峠ルートの急坂・念仏坂を超えたところにひっそり祠が。由来がないか調べてみた

伏見ルート念仏坂の上にある祠

金剛山まで初心者でも気軽に登れるという伏見峠ルートは、金剛登山口から登る千早本道の次に人気のルートです。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

かつてロープウェイの架線があったあたり。その影響か、空が十字になっている

このルート、早い人では50分以内に登れるとのことですが、ちはや園地の人が紹介する際には1時間余りかかると言っています。しかし、私はそのいずれよりもはるかにゆっくりで、いつも2時間近くかかってしまいます。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

その理由のひとつがこちらです。ロープウェイの架線があったところを過ぎ、水道の施設を越えたところから続く道です。滑り止めを意味する丸い凹形のものがついているほど急な坂があり、坂道が苦手な私はここに来ると何度も繰り返して休憩をするため、ほかの人より時間がかかるのです。そしてこの急坂を「念仏坂」と呼ぶという情報を知りました。

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伏見ルート念仏坂の上にある祠

伏見峠ルートの「伏見」は、奈良県側の地名から来ているということを以前紹介しましたが、念仏坂の名前については由来などは調べても出てきませんでした。かつて伏見峠を目指して登る人は、「念仏」を唱えながらこの急坂を登って辛さを和らげようとしたのかもしれません。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

念仏坂と呼ばれる急坂を越えると、伏見峠までは楽になるのですが、その途中に小さな祠があります。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

祠が見えてきました。古い写真などを見ると、ここには木の鳥居のようなものが手前に映っていましたが、今は無くなったようです。

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伏見ルート念仏坂の上にある祠

左右をよく見ると、かつての鳥居だったと思われる棒の名残のようなものが見えます。改めて調べてみると「三基の鳥居をもつ小祠」という情報がありました。つまり木の鳥居が三基(3本)立っていたことがわかります。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

祠の前に来ました。藪に囲まれて確認できませんでしたが「山乃神」と刻まれた石が近くにあります。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

画像は紀見峠付近にある山の神です。

山ノ神なら、以前紀見峠付近にもありました。昔から山の上には神様がいるということでそれを祀っているというのは珍しいことでも何でもありません。

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祠にまつわる興味深いエピソード

伏見ルート念仏坂の上にある祠

ところがこちらの山乃神には興味深いエピソードと由来があることがわかりました。1983年に発行された「金剛山のサムライたち」という書籍によると、かつて伏見峠付近にあった私有地を知らずに勝手に開発してしまったそうです。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

(画像は取り壊し中の香楠荘 2025年4月撮影)

そこで土地の地主さんと今は無き香楠荘の関係者、さらに葛城神社さんと話し合いが行われたそうですが、その際に山乃神がこの場所に設置されたという情報がありました。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

ということであれば、昔からあるものではなく比較的新しい段階で設置されたことになります。そして祀られている神は「金剛白龍大神」であることも判明しました。白龍(白蛇)を祀っているということは、中は閉じられていますが、蛇の抜け殻を御神体として祀られている可能性があります。

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伏見ルート念仏坂の上にある祠

かつては「この道は私道です。安全を祈願して山の神さんを祀っています」という立て札もあったそうです。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

こちらの山乃神こと金剛白龍大神と念仏坂との直接の接点があるわけではありませんが、急な坂である念仏坂を登りきったところにある祠、念仏を唱えてようやく登り終えて後わずかで峠、そして金剛山に行けるときに、「無事に上がってこられました」と思わず手を合わせ、そしてこの後も山の事故に巻き込まれず無事に下山できるようにと願いたくなる気持ちがよくわかる気がしました。

伏見ルート念仏坂の上にある祠

金剛白龍大神(山乃神)

住所:大阪府南河内郡千早赤阪村

アクセス:金剛山ロープウェイバス停から徒歩

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