【大阪市北区】中国でも香港でもない独特の文化!TAIWAN PLUS2025台日新風は中之島で台湾夜市を再現していた

TAIWAN PLUS2025台日新風

大阪関西万博は夢洲で開催中ですが、それとは別に台湾独自のパビリオン「台湾文化in大阪・関西万博」というイベントが中之島等で開催されていました。そのなかでも文化総会が企画する台日友好プロジェクト「TAIWAN PLUS」の様子を8月27日に行ってきたので、ご紹介します。

台湾が中之島で万博パビリオン?

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8月にSNSで、台湾のパビリオンが夢洲でなく中之島で行われているたという情報を知りました。大阪万博にパピリオンがないのは、中国(大陸)との政治的関係があるとSNSでは言及されていましたが、よく調べてみるとパリに本部を置く博覧会国際事務局(BIE)の加盟国では無かったからというのが理由のようです。

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万博会場にあるテックワールドのパビリオン

しかし万博会場にはTECH WORLD(テックワールド)館があります。これは民間の企業パビリオンで、「玉山デジタルテック株式会社」という台湾のテクノロジー企業が出展しているのです。

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とはいえ実質的には台湾を紹介している台湾パビリオンと言われていて、午前中の早い時間からけっこうな行列ができていました。大陸側の中国パビリオンよりも行列が長かったかもしれません。

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それとは別に台湾文化in大阪・関西万博が8月2日から20日まで行われていました。公式ページによると「We TAIWAN」は台湾の文化部が主催した複合型のイベントで、文化を通じで台湾と国際社会をつなげる目的でした。そして万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に呼応して「未来を支える奇跡の島」をコンセプトに掲げていました。

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こちらのシンボルキャラクターはa-We(アウィー)という名前です。公式ページによれば次のように紹介されています。

無限成長するレアな宝 フィリピン海プレートとユーラシア プレートのせめぎ合いにより、海 底から現れた不思議ないのち。

「アウィー、アウィー」という異世界の言葉を発し、その体は弾力と 強靭性が満ちる未来素材でできて いて、ぐにゃっと曲がり、ピョーン とのび、ふわっと重なり合います。感情や食べ物、身に付けたスキル によって、色も自由に変化します。

旅行で宝物を集めるのが好きで、 最大の特技は無限の学習能力。 友達作りが好きで、チームプレイ の達人です。

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中之島にある大阪市中央公会堂の前に来ました。WeTAIWANそのものは以下の会場で行われました。

  • VS.(グラングリーン大阪内)8月20日まで
  • 大阪市中央公会堂 8月20日まで
  • こども本の森 中之島 8月20日まで(事前予約制)
  • 中之島公園(8月9日・10日・16日・17日に開催)
  • グラングリーン大阪以外は、主に中之島で行われていました。

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    ただ残念なことに、見学時間が遅く、マジカル台湾——台湾文学展の時間には間に合いませんでした。またこの日は中央公会堂で事前予約制の映画の上映会も行われていました。また一連のイベントは8月20日までなのですが、「島の聲」と呼ばれるイベントは万博夢洲会場のポップアップステージ北で8月26日から28日まで行われました。それは「廟前の感謝の舞台」という公演です。

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    TAIWAN PLUSはまるで台湾の夜市!

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    今回はTAIWAN PLUSの様子をレポートするのが目的なので、そちらに向かいます。中央公会堂から東に続く通りにマルシェ形式でブースが出店しています。ちなみにTAIWAN PLUSは2018年から東京の上野公園でスタートしており、コロナ禍の2年間(2020、2021)を除いて毎年行われていました。2024年に京都、そして2025年に大阪で行われたとのこと。

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    ちょうど入り口で演奏パフォーマンスが行われていました。

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    中之島が「そのまんま台湾」を持ち込んでいる雰囲気です。意図的に現地の言葉を使ったベンチなどがあって、ここから先は見事に台湾そのものでした。

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    こちらが入り口の案内所です。グッズなどの販売も行っていました。

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    いきなりの光景を見てびっくりしました。驚くほどの行列です。フードのブースがやや少なめというのもありますが、特に人気のあるブースはこのように長い行列ができていました。

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    この中は「台湾の雰囲気そのもの」と感じたのは、お店の人はもちろん、お客さんも「台湾の人?」という感じで現地の言葉「台湾華語」が飛び交っていました。もしかしたら日本人だけど台湾華華語を話せるような人が多く混じっていたのかもしれませんが、そのため独自の雰囲気が醸し出されていました。

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    本当は同じ意味ですが、「キッチンカー」というより、「フードトラック」という言葉のほうが合いそうな大型の車で来ていました。

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    台湾のフードを出しているお店でいちばん多かったのは、日本でも有名な料理、魯肉飯(ルーローハン)でした。こちら台湾肉飯店で会場でいちばん長い行列ができていました。

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    「台湾中華まん専門店 福珠」はすでに売り切れてしまったようです。台湾ビールも早い段階で売り切れていたらしく、私が訪問した時にはブースだけが残っている状態でした。

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    18時30分を過ぎたあたりです。中央公会堂のあたりが夕陽で赤く染まってきました。台湾といえば士林夜市などの夜市(ナイトマーケット)が観光の名物ですが、これからは中之島が台湾夜市になりそうな雰囲気でした。

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    こちらはタピオカミルクティーで有名な台湾甜商店です。パイナップルケーキの販売を行っていました。

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    台湾カステラも人気で行列ができていました。

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    1947年に彰化県北斗で創業された「洪瑞珍餅店」から生まれた台湾の国民的サンドイッチ(三明治)屋さんで、日本では高田馬場にあります。イチゴやブルーベリーを挟んだデザートサンドイッチです。

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    いろいろ迷いましたが、人気店の陰に隠れて比較的行列が少なくてとてもおいしそうに感じたこちらのお店を選びました。すっかり夜になっているのは時系列の問題で、一通り店を回った後に最後に購入したからです。

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    ここは鶏排(ジーパイ)と呼ばれる台湾の鳥の唐揚げと魯肉飯がセットになった弁当を1500円で販売していました。

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    その場で揚げたてのから揚げ、鶏排を販売していました。

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    ということで二種類の味とご飯を美味しくいただきました。見た目以上にボリュームがあったのが嬉しかったです。

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    日本のマルシェと一味違う台湾マルシェ

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    日が沈み、赤と紫がかった空が広がっています。

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    こちらのO-GRILLは、革新的なデザインと優れた安定性と人気を兼ね備えた携帯型ガスバーベキューグリルを紹介していました。そしてTenderflameは、人体に無害な独自のエコ燃料を使用しており、煙やにおいもない新しい暖炉を製造販売もしています。

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    企業のパンフレットもあり、まるで見本市会場のようでした。

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    テントの中には多くの人がいますね。座っている椅子が赤いプラスティックの椅子というのもありますが、台湾の雰囲気を感じます。

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    台湾の裏庭というのは特定のブースではなく、会場の裏庭という設定です。トークイベントやワークショップがいつの間にか始まっていて、場所だけ決まっているという設定とのこと。日本にはない雰囲気で台湾らしいですね。

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    楽しそうな雰囲気があるのは台湾夜市遊技場 by 流動商店です。

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    設計・デザイン会社の流動商店が、「TAIWAN PLUS」イベントに台湾文化を体感できる夜市ゲームゾーンを出展したそうです。

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    日本の夏祭りなどでも「当てもん」と称される遊技場がいろいろありますが、台湾の遊技はそれらとは全く違った独自のものです。

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    莉婷子 riteco(りてこ)は台湾出身で日本育ちの方が母親から受け継いだ味と日本で育った環境をアレンジし、「目で楽しい!食べて楽しい!喋って楽しい!」をモットーにしているそうです。

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    台湾と日本の素晴らしさや融合したことを提供しているそうで、様々なフェスやイベントに積極的に出店しているとのこと。

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    今回はセレクトした台湾雑貨を販売していました。

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    こちらは人力写真機と書いてありました。実際には写真を撮影するのではなく、似顔絵を描いてくれるようでした。

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    こちら「小籠包投」と書いてあります。

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    小籠包の形をしたボールを、せいろの中に入れるゲームで、旨く入ると景品がもらえるというもの。台湾なのにパンダというのが面白いですね。

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    不思議な世界が続きます。本当に台湾の夜市に来ているような気がしてきました。

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    こちらも屋台に見えますが、屋台風のパフォーマンスの場のようでした。実際に台湾にありそうな屋台を再現しています。

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    WHOSMiNGは、台北を拠点にしたイラストレーターのブースです。紙コップにアメリカポートランドで出会ったコーヒーとバリスタの姿を描いたことがInstagramで注目を集めたそうです。

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    こちらには多肉植物が並んでいますね。

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    臺灣印事 X 靄靄文化は異なるふたつのカルチャーが企画しているそうで、かつて大阪と台湾を結んでいた「大阪商船」に着想を得て展開。スタンプ(蓋印)体験ができるようになっていました。

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    麻雀卓に敷くための紙が販売されています。ちなみに「台湾麻雀」と呼ばれる物が存在していて、サイコロを3個使うなど、一般的な麻雀とは少し異なっています。

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    こちらは台湾の鉄窓花を紹介していました。これは装飾付きの鉄製窓格子で防犯に加えて美観を兼ねているとのこと。日本統治時代に入った技術を戦後になって独自に発展させたそうです。1980年代以降は職人が減少したものの、近年は台湾の庶民文化として見直されているとのこと。

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    青青土氣 chin chin potteryは台南で生まれた雑貨で、台南の古い町並みの工房で製作しています。器を単なる道具ではなく生活のリズムと物語を運ぶものとしてとらえているとのこと。

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    不二味 ふじみは、台湾の農業や漁業を、印象的なビジュアルと現代的な視点で発信する情報誌。台湾産の特定の農産物や海産物にフォーカスを当てて、魅力や背景のストーリーをユニークな企画と共に深堀りしています。さらに斬新で美しい写真を用い、読者に新たな視点を提供している雑誌。このブースでは、独自の視点でセレクトした地方の名産品を扱っていました。

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    「大きな子どもたち」が集まり、「大人になってもあの頃を忘れない」という思いから生まれた1982小時候。戒厳令(1987年に解除)の中、民主化運動の動きが始まろうとしていた1982年。ゆっくりとあの時の時間を取り戻し、懐かしさを加えたユニークなプロダクト(文房具)を用意したりトークや展示を通じて、あの時代(1982年)の魅力の再発見をめざしているとのことです。

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    後から調べて「なるほど」とうなづけるブースが出ているのですが、何も知らずに行きましたので、台湾の不思議な世界にただただ迷い込んだというのが正直なところでした。

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    スマホケースを利用したアートや少数民族に関することなど

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    さて、台湾の不思議だけど面白いカルチャーを出しているブースとはまたちょっと違った感じのところも出ていました。特に離島や少数民族に関する紹介のブースがいくつか並び、新鮮味を感じます。

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    こちらは一目で見てアート作品とわかります。

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    スマホケースを多数ぶら下げています。

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    近づいてみました。本来はスマホの損傷から守るために作られたスマホケースも多く集めて芸術表現として使うというアイデア。とても面白いですね。

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    こちらはRHINOSHIELD ライノシールドという人気のスマホケースのブランドです。元々はケンブリッジの材料科学研究所で誕生しました。世界数千万ユーザーに支持されているスマホケース(保護アクセサリー)や「RHINO LOOP」循環エコシステムを構築するなど、サスティナブルな解決策を展開しているそうです。

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    西尾半島とは台湾の離島で、中国大陸の福州市の近くにある馬祖列島のひとつ、南竿島の中にある半島です。「飛地.離島書店」は新しい視点でつくられた離島の名産品を発信していて、馬祖の淡菜(ムール貝)や、澎湖の薬草茶「風茹茶」を使ったリキュール、金門島のローカルブランドなどが並んでいました。

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    そんな馬祖諸島は、台湾初の島をめぐる芸術祭「馬祖ビエンナーレ(馬祖国際芸術島)」というイベントが行われています。

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    3回目となるこのイベントは、今年2025年9月5日〜11月16日まで馬祖で行われます。この時期は開運祈願の鉄板焼塔祭や媽祖に感謝する昇天祭なも行われるとのこと。

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    このイベントは、アートを通じて教育・建築・デザインなどの多様な軸で、馬祖という場所の国際的なイメージを形成。島の認知度を高めたいとする狙いがあるそうです。

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    黑色雋永Lumamilingです。これは台湾が原生という構樹(カジノキ)の樹皮を使って製糸し、文化的、環境的な形を作り出そうというものです。

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    カジノキを調べるとクワ科コウゾ属の落葉高木です。台湾だけでなく日本や中国にも分布しているもので、日本では古墳時代に木の皮から布を作っていたり、和紙の繊維原料としての用途で使われています。

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    ただ、原木のカジノキの樹皮の個性的なデザインを見ることがあまりないので、見ていてとても面白いと思いました。

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    LiMA原選です。これだけでは意味がわかりませんが、台湾原住民協会が設立したチャネルブランドです。

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    「LiMA」は、オーストロネシア語族(台湾から東南アジアや太平洋の島々、さらにアフリカのマダガスカルまで広がっている語族)共通言語で数字の5という意味があり、世界中各地の先住民族が「繁栄とより良い未来」のために手を取り合って歩いて行くことを象徴しているそうです。そして台湾原住民の民芸品をブランド化して、台北のおしゃれショッピングゾーン、永康街にブランドショップをオープンさせ、気軽に原住民の製品が買えるようにしています。

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    台湾には様々な原住民が住んでいますが、それらの少数の原住民をまとめてオリジナル商品や文化を伝える存在の重要性を感じました。

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    嘉義セレクションです。嘉義は台南の少し北側にある都市です。

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    エシャロット入りガチョウ油など、嘉義の特産品が販売されていました。ガチョウ油はごはんに混ぜて食べるとおいしいそうです。

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    ということでTAIWAN PLUS 2025 台日新風を一通り見てきました。2010年代から上野で行われていたイベントですが、台湾文化in大阪・関西万博のイベントの一環として初めて大阪で行われ、中之島に台湾夜市がリアルに登場したという印象でした。

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    今年は万博の年だけあって、万博をイメージしたいろんな催しが大阪を中心に行われていますが、こういう機会でないとなかなか見られない、日本人があまり知らない台湾の現代カルチャーの一端が見られたと思いました。

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